COLUMN マネー・住まい

住宅ローン、金利0.1%の差で総額はいくら変わる?借入額・期間別に試算してみた

住宅ローンを比べていると、「0.775%」と「0.875%」のように、金利が0.1%しか違わない商品がたくさん並んでいます。数字だけ見ると小さな差ですが、住宅ローンは何千万円というお金を何十年もかけて返していくものです。わずか0.1%の差が、最終的にどれくらいの金額になるのでしょうか。

この記事では、AnyLabの住宅ローン返済シミュレーターと同じ計算式を使って、借入額・返済期間・金利の水準を変えながら「0.1%の差」を独自に試算しました。

この記事のポイント
  • 借入額3,500万円・35年返済なら、金利0.1%の差で総返済額は約67万円変わる
  • 毎月の返済額にすると約1,600円の差。小さく見えても、420回積み重なると大きな金額になる
  • 差は借入額にほぼ比例し、返済期間が長いほど大きくなる
  • 金利だけでなく、事務手数料や保証料も含めた「総額」で比べることが大切

試算の条件

今回の試算は、次の条件で行いました。

実際には、変動金利なら途中で金利が変わりますし、金融機関によって端数の処理なども異なります。そのため、ここでの数字は「金利の差がどれくらい効くか」をつかむための目安として見てください。

金利別:0.5%〜2.0%で総返済額はこう変わる

まずは、借入額3,500万円・35年返済で、金利だけを変えた場合です。

金利毎月の返済額総返済額うち利息
0.5%90,855円3,816万円316万円
0.6%92,410円3,881万円381万円
0.7%93,982円3,947万円447万円
0.8%95,571円4,014万円514万円
0.9%97,177円4,081万円581万円
1.0%98,800円4,150万円650万円
1.5%107,165円4,501万円1,001万円
2.0%115,942円4,870万円1,370万円

※借入額3,500万円・35年・元利均等返済。総返済額と利息は1万円未満を四捨五入。

金利が0.1%上がるごとに、毎月の返済額はおよそ1,500〜1,600円ずつ増え、総返済額は約65〜69万円ずつ増えていきます。0.8%と0.9%を比べると、毎月の差は1,606円ですが、35年間(420回)の合計では約67万円の差になります。

また、金利0.5%と1.0%では総返済額に約334万円、0.5%と2.0%では約1,054万円もの差が生まれます。「金利が少し上がっただけ」と思っていても、長い返済期間の中では、車1台分、場合によってはそれ以上の金額になることがわかります。

借入額別:0.1%の差はいくら?

次に、返済期間35年で、金利が0.8%から0.9%に0.1%上がった場合の差を、借入額別に比べました。

借入額毎月の返済額(0.8%→0.9%)毎月の差総返済額の差
2,000万円54,612円 → 55,530円+918円約39万円
3,000万円81,918円 → 83,295円+1,377円約58万円
4,000万円109,224円 → 111,060円+1,835円約77万円
5,000万円136,530円 → 138,825円+2,294円約96万円
6,000万円163,837円 → 166,590円+2,753円約116万円

※返済期間35年・元利均等返済。

0.1%の差による負担は、借入額にほぼ比例して大きくなります。目安としては、借入額1,000万円あたり、35年で約19万円と覚えておくと便利です。都市部でマンションを購入するなど、借入額が5,000万円を超える場合には、0.1%の差だけで100万円近くの違いになります。

返済期間別:長いほど差が広がる

続いて、借入額3,500万円で、返済期間を変えた場合の0.1%の差(0.8%→0.9%)です。

返済期間毎月の返済額(0.8%→0.9%)総返済額の差
20年157,859円 → 159,406円約37万円
25年128,761円 → 130,327円約47万円
30年109,387円 → 110,973円約57万円
35年95,571円 → 97,177円約67万円
40年85,229円 → 86,855円約78万円
50年70,795円 → 72,461円約100万円

※借入額3,500万円・元利均等返済。

興味深いのは、毎月の返済額の差はどの期間でも約1,500〜1,700円とほとんど変わらないのに、総返済額の差は期間が長いほど大きくなることです。返済期間が長いと、毎月の差額が積み重なる回数が増えるうえ、元金の減り方がゆっくりになり、利息がかかる期間も長くなるためです。

最近は40年や50年といった長期の住宅ローンも増えています。毎月の返済額を抑えられる一方で、金利の差が総額に与える影響は大きくなる点に注意が必要です。

金利が高いほど、0.1%の重みも増す

同じ0.1%の差でも、もとの金利の水準によって影響は少しずつ変わります。借入額3,500万円・35年で比べてみました。

金利の変化総返済額の差
0.5% → 0.6%約65万円
1.0% → 1.1%約69万円
1.5% → 1.6%約72万円
2.0% → 2.1%約76万円

金利の水準が高くなるほど、同じ0.1%でも差はやや大きくなります。変動金利で借りていて、将来金利が上がっていった場合、上がれば上がるほど0.1%の重みも増していくということです。変動金利を選ぶときは、今の金利だけでなく、1〜2%上がったときの返済額もシミュレーターで確認しておくと安心です。

あなたの条件で計算してみる
住宅ローン返済シミュレーター
借入額・金利・期間を入れるだけで、毎月の返済額と総返済額がわかります

金利を0.1%でも下げるための4つの方法

1. 複数の金融機関を比べる

同じ時期・同じ金利タイプでも、金融機関によって金利は異なります。不動産会社から紹介された金融機関だけで決めず、ネット銀行や地方銀行、信用金庫なども含めて比べてみましょう。一般的に、店舗を持たないネット銀行は金利が低めに設定されていることが多い傾向があります。

2. 金利の優遇条件を確認する

多くの金融機関では、給与の振込口座に指定する、クレジットカードを作るといった条件を満たすと、金利が引き下げられる「優遇金利」があります。また、自己資金(頭金)の割合や、物件の省エネ性能などによって金利が変わる商品もあります。どんな条件で何%下がるのかを確認しておきましょう。

3. 審査に有利な状態で申し込む

金利の優遇幅は、審査の結果によって変わることがあります。クレジットカードやローンの返済の遅れがないこと、ほかの借り入れが少ないことは、審査の基本です。カードローンなどの借り入れがある場合は、申し込み前に返済しておくのも一つの方法です。

4. 借り換えを検討する

すでに住宅ローンを返済中の人は、今より金利の低いローンに借り換えることで総返済額を減らせる場合があります。一般的には「残高1,000万円以上・残り期間10年以上・金利差が一定以上」が借り換えを考える目安と言われます。ただし、借り換えには事務手数料や登記費用などの諸費用がかかるため、それを差し引いても得になるかを計算することが大切です。

「金利だけ」で選ぶと損をするケース

金利の差が大きな金額になることを見てきましたが、表示されている金利が低いからといって、必ずしも総額が安くなるわけではありません。次のような費用も含めて比べる必要があります。

たとえば、金利が0.1%低くても、事務手数料が数十万円高ければ、その差は簡単に打ち消されてしまいます。複数の金融機関を比べるときは、金利だけでなく「諸費用を含めた総額」で比べるようにしましょう。

まとめ

住宅ローンの金利0.1%の差は、借入額3,500万円・35年返済で約67万円になります。毎月の返済額で見ると1,600円ほどの小さな差でも、長い返済期間の中で大きな金額に育っていきます。

ご自身の借入額や返済期間で、金利が変わるとどれくらい違うのかを知りたい場合は、住宅ローン返済シミュレーターで金利だけを変えて比べてみてください。

※本記事の試算は、記載の条件にもとづく目安です。実際の返済額は金融機関の計算方法や契約内容によって異なります。借入の判断は、金融機関の返済予定表などでご確認ください。